以前、ワンレングスアイアンを注文した記事を書きました。全番手を同じ長さに揃えたアイアンです。あのときは「届いたらレビューします」で終わっていたので、実際に打ってみた感想をお伝えします。
先に結論から書きます。コンセプトはとても素晴らしいものだと思いました。そしていちばん効いたのは、飛距離でもスコアでもなく——練習時間が減ったことでした。
そしてもう一つ、正直に書いておきます。私はこのクラブを、その後手放しました。性能ではなく、別の理由でした。それも含めて書きます。
打ってすぐ分かったこと:同じスイングで距離だけ変わる
これがワンレングスの本質です。
通常のアイアンは、番手ごとにクラブの長さが違います。長さが違えば、当然ボールとの距離も、前傾角度も、スイングの大きさも変わります。5番と9番では、構えた時点で別のクラブを振っているようなものです。
ワンレングスは全部が7番アイアンの長さなので、構えが変わりません。同じ位置に立って、同じように振る。変わるのはロフトだけなので、結果として距離だけが変わります。
頭では分かっていたことですが、実際に打ってみると印象がまるで違いました。「番手を持ち替えたときの違和感がない」——この感覚は、打ってみないと伝わらない部分だと思います。
いちばん大きかった変化:練習は1本だけでいい
ここが、使ってみて最も価値を感じた点です。
全番手が同じ長さで、同じ構え、同じスイングなら、練習で振るのは1本で足ります。7番アイアンで打てるようになれば、その動きがそのまま他の番手に乗るからです。
通常のアイアンだと、こうはいきません。
- 5番が当たらないから5番を練習する
- すると今度は9番の感覚がずれる
- 9番を打つと、また5番が分からなくなる
この行ったり来たりに、かなりの時間を使っていたことに、ワンレングスにして初めて気づきました。
結果として、練習時間が減りました
1本に集中できるということは、同じ効果を出すのに必要な時間が短くなるということです。
練習場で1カゴ打つとき、これまでは番手をとっかえひっかえして「全部を確認する」時間になっていました。今は7番だけを打ち込めばよく、1回あたりの練習が短くても手応えが残ります。
ゴルフをやめてしまう理由の多くは「練習に行く時間がない」です。練習時間そのものを減らせるというのは、上達以前に「続けられる」という意味で大きいと感じました。忙しくて練習頻度が落ちている方には、ここがいちばん響くかもしれません。
それでも、私は手放しました
ここまで良いことばかり書いてきましたが、結論から言うと、私はこのクラブを手放しました。
性能に不満があったわけではありません。理由は「練習する面白みがなくなったから」です。
ワンレングスの利点は、全番手が同じ長さで、同じ構え、同じスイングで打てることです。だから練習は7番1本で足りる。この記事でいちばん価値があると書いた点が、そのまま裏返りました。
これまでは、練習場で番手を持ち替えるたびに小さな課題がありました。5番が上がらない、9番の距離感が合わない、その1本ずつと向き合って、少しずつ当たるようになっていく。その積み重ねが、自分にとっては練習の楽しさそのものだったのだと、なくなってみて分かりました。
1本打てば全部に効くというのは、確かに効率的です。ですが効率が良いことと、続けたくなることは別でした。私の場合は、練習に行く回数そのものが減っていきました。時間を短くできたのに、足が向かなくなったのです。
クラブが悪かったわけではありません
誤解のないように書いておくと、クラブが悪かったわけではありません。「同じスイングで距離だけ変わる」という考え方は、今でも素晴らしいと思っています。
合う人には、はっきり合うクラブです。
- とにかく練習時間が取れない方 … 効率の良さがそのまま利点になります
- 番手が変わるとスイングが崩れて悩んでいる方 … 悩みそのものが消えます
- ゴルフは結果(スコア)を楽しみたい方
逆に、私のように「練習の過程そのものが好き」なタイプには向かないのだと思います。ここは性能の話ではなく、ゴルフの何が楽しいと感じるかという相性の話です。カタログにも口コミにも書かれていない部分なので、正直に残しておきます。
手放して分かったこと
クラブ選びでは、たいてい「やさしいか」「飛ぶか」「安定するか」で判断します。ですが今回のことで、もう1つ軸があると気づきました。
「そのクラブで練習するのが楽しいか」です。
どれだけ効率の良い道具でも、練習場に行かなくなれば上達は止まります。逆に、多少やさしくなくても、振っていて面白ければ回数が増えて結果的に上手くなる。道具のスペックより、自分が続けられるかのほうが効いてくる——これは、買って、使って、手放してみないと分からないことでした。
逆に、向かないと思う人
- すでに番手ごとの距離が安定している方 … わざわざ崩す必要がありません
- ロングアイアンの飛距離を落としたくない方 … 長い番手が短くなるぶん、飛距離は詰まりやすくなります
- 1本ずつ攻略していく過程が好きな方 … 私がここでした
弱点や構造上の注意点は前回の記事に整理してあるので、検討される方はそちらもご覧ください。
試すなら中古のセットから
ワンレングスは、合う人と合わない人がはっきり分かれるクラブです。いきなり高価なセットを買うより、まずは手の届く価格のセットで試すほうが失敗しません。
ただし注意点として、ワンレングスは中古市場が小さく、フィッティングに対応できるショップも限られます。買い足しや調整がしにくいのは、あらかじめ承知しておいてください。
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まとめ
- 同じスイングで距離だけ変わる——ワンレングスのコンセプトは、打ってみて素晴らしいと感じた
- 全番手が同じ構え・同じスイングなので、練習は1本だけでいい
- 結果として練習時間が減った。効率という意味では期待どおりだった
- ただし私は「練習する面白みがなくなった」という理由で手放しました
- 1本で足りるということは、番手ごとに向き合う楽しみがなくなるということでもある
- 練習時間が取れない方・番手ごとにスイングが崩れる方には合う。練習の過程そのものが好きな方には合わないかもしれない
- クラブ選びの軸に「そのクラブで練習するのが楽しいか」を加えてみてください
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